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ドクター角倉の電動機情報(掲示板より抜粋) 64)

64)電力量とボイジャーバッテリー (2004年5月5日〜6月16日)

電力量

今回の「電動機の集い」では、参加機一覧表のバッテリーの項目に「電力量」を加えてみました。
電力量とは「ある時間内に発生または消費した電力の総量」で、単位はWh(ワット時)を用います。
一覧表では、例えば、マーチに使っている「6セルNiMH3300(7.2V-3.3Ah)」なら、7.2V×3.3Ahで、電力量23.8Wh(ワット時)と表記しました。

以前なら、バッテリーを表現するのに「○○セル-△△mAh」と言えば、大体のイメージが伝わりましたが、最近の様に、単セルの電圧が異なるバッテリーが使われる様になると、セル数表記だけでは混乱が起ってしまいます。
そこで、電力量を表記して、バッテリーの持っている電気エネルギーの総量を表現する様にしたのです。 こうすれば、その機体がどれだけのエネルギーを搭載して、どのような使い方をしているのかが良く判る様になります。
例えば、「直列3セル2000mAhリポ(11.1V-2.0Ah)」は22.2Whなので、上記マーチの23.8Whと同程度のエネルギーを持っている、という具合です。23.8Wh(ワット時)と言われてもピンと来ないかもしれませんが、「6分間238W(ワット)使える」と考えれば、イメージが湧いて来ますね。

今回の参加機の中で最大の電力量は、「直列8セル8200mAhリポ(29.6V-8.2Ah)」の242.7Whでした。
これは私のマーチの10倍のエネルギー量で、500Wの電熱器なら30分近くも運転できるものです。 その発熱量を考えると、もしこのエネルギーが暴走でもしたら、恐ろしい事になりますね。


ボイジャーバッテリーの電力量

親バッテリーとして使っているボイジャーから、フライト用のバッテリーが何パック(何セル)充電できるのでしょうか?
私の場合、(鉛バッテリーは深い放電をすると傷み易いので)限界まで試した事はほとんど無いのですが、ずっと以前の経験からすると、新品時には2000mAhセルが150本程度と予想していました。 総電力量にすると、1.2V×2Ah×150=360Whです。
この360Wh(ワット時)は、「子」バッテリーに貯えられた総量なので、充電中のロス分を3〜4割(かなりいい加減な見積もり)とすると、「親」は500〜600Wh放出した事になります。

一方、ボイジャーバッテリー(12V-105Ah)は、単純計算では、12V×105Ah=1260Whですが、実際は、バッテリーのシールに「15A -5h」や「25A -2.7h」と記載されている様に、放電電流によって使える量が変わってしまいます。
電力量にすると、15アンペア放電で15A×12V×5h=900Wh、
25アンペア放電では、25A×12V×2.7h=810Wh です。
私の経験による予想値(500〜600Wh)より、良い数値となっています。

ところで、前回取り上げた「直列8セル8200mAhリポ(29.6V-8.2Ah)」の場合はどうでしょう?
電力量240Whですから、2パック充電するのはかなり厳しそうです。 やはり、このクラスになると、ボイジャーを親バッテリーにするのは無理なんですね。


ヒトの発熱量

電動飛行機では、自分の使用しているワット数を知る事が大事ですが、ヒトについても、ワット数で考えてみると面白いものがあります。 一般的には、ヒトの発熱量をワットに換算すると、何もしていない時で100W、運動の大きさによってその数倍になる、と言われています。
また、自転車こぎで出せる力は、瞬間値は別とすると、200〜400Wの様で、例えば、人力飛行機はこんなパワーで設計されているんですね。
http://ourworld.compuserve.com/homepages/j_d_mcintyre/airglow.htm


ボイジャーバッテリー

ボイジャーバッテリーの電解液がだんだん少なくなって、最近では、インジケータが真っ白になってしまいました。 週末には遠征もあるので、新品を購入しました。 ボイジャーを買うのはこれで5個目です。 今回ダメになったボイジャーは99年11月購入なので、4年半の寿命でした。 最近は、7セルから6セル機がメインになっていたので、以前の14セル機がメインだった頃の1〜1年半で買い足していたのに比べれば、随分長持ちした事になります。


ボイジャーバッテリーのインジケーター

ボイジャーの比重計の窓が曇って中が見え難くなってしまったときは、窓に透明テープを貼ると良く見える様になります。



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角倉真広 
kdkr@cb.mbn.or.jp
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