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ドクター角倉の電動機情報(掲示板より抜粋) 39)

39) Ni-MHについて (2002年10月23日〜11月29日)


角倉様、こんにちは。
ギアユニット関連ではないですが、先日の集いでGP3300mAhを使われたそうですが、調子はいかがでしょうか。 電動カー雑誌ではGP3300の評判はなかなか良いようですが飛行機用に大電流放電やその時の放電特性が気になります。 お答え頂けたら幸いです。
(亀嶋氏)


Ni-MHが電動カーで使われるようになって3年程経ちますが、今では、短時間レース以外ではニッカドの性能を追い越してしまっているようですね。 私も最近、ヨコモ3300HVR(GP製、6000円程度の製品)を使ってみて、思った以上の手ごたえを感じ、引き続き耐久テストやデータ取りをしているところです。

Ni-MHについては、パパさんをはじめ色々な方の電動カーのサイトに詳しく載っているので、そちらを参考にしていただいた方が良いのですが、それ以外の事で私なりに気付いた事もありますので、そんな事でも少しずつお知らせできたらと考えています。

Ni-MHは各社から次々と新製品が登場するため、到底一人でテストしきれるものではありませんから、いろいろな方の情報も期待しています。


GP製とサンヨー製Ni-MH

現在3300mAhのNi-MHはGP製(ヨコモ3300HVR ・パワーズR3300)とサンヨー製(RC3300HV)の2種類が発売されています。 私は今の所、GP製3300mAh-6セルを80回、サンヨー製3300mAh-6セルを40回使用しているところなのですが、データもだんだん集まって来たので、この辺でこれまでに経験した事を記しておきます。
但し、バッテリーの性能は個体差も多く、また今回は、僅か1パックだけの使用結果ですので、あくまでも参考程度としておいて下さい。

まず、多くの方が知りたいのは「GP製とサンヨー製のどちらが良いか?」だと思います。
他の製品の場合なら、こう言った「どちらが良いか?」の質問には中々答え難いものですが、今回、飛行機用として考えるなら答えは簡単です。 重量を見てもらえればすぐ分かるのですが、数グラムの差ならともかく、GP製3300mAh-6セルが約390g、サンヨー製3300mAh-6セルが約360gなのです。 極端に性能の差が無い限り軽い方を選びますよね。性能について両者をネット上で検索してみると、どちら派もあってそれ程大きな違いは無さそうです。私のバッテリーでは、サンヨー3300の方が内部抵抗が小さくて瞬間パワーが出せました。


6セル

電動飛行機が7セルを使う様になった経緯は坂本さんのところ(FAQコーナー)でも説明されていますが、簡単に言えば、十数年前のバギーブームの時に登場した7セルパックを飛行機に流用したのが始まりだったと思います。 その後、車の方が6セルに統一されたので、飛行機も、バッテリーやモーターの種類が豊富な6セルに移行出来れば良かったのですが、一旦7セルで進化が始まってしまった飛行機では、飛行に必要なエネルギーの事もあって中々それに踏み切れなかったのです。 RC2400が出た時はその移行のチャンスと思ったのですが、残念ながら実容量2300mAhのバッテリーではまだ役不足でした。
でもその後、Ni-MH3000が登場し、最近になってNi-MH3300が発売された事で、いよいよ6セル化が現実の事となってきました。 もちろんこれは7セルニッカドで十分満足できる飛びが可能な「マーチ」やトルクロール練習機「ボレロ」についてだから言える事で、7セルニッカドで満足出来ない機体では、Ni-MHになっても引き続き7セル以上のセルを選択する必要はあるでしょう。 当然の事ですが、何セルを使うかは機体次第と言う事です。

こんな訳で、私としては7セルニッカドから6セルNi-MH3300を使う様になったのですが、この事で色々な面白い経験をする事になりました。


6セルNi-MH3300の実力

「6セルNi-MH3300」は計算上ではエネルギー量が「7セル2400ニッカド」を上回っていて、1セル分軽量化できるメリットもあります。 でも7セルなみのパワーを出そうとすれば、電圧低下分を電流増加でカバーしなければならないと言ったマイナス面もありあます。 「何アンペアのセッティングにしたらNi-MHのパワーはどうなるのか?」
について、色々テストが必要なのですが、実は今の所、この件に関してはあまり深く追求していません。 これは使い始めに、「パワー的にはそれ程問題が無さそう」と感じた為です。

では何をしているかと言うと・・・
今一番知りたいのはNi-MHの寿命の事なのです。 これは使い方によっても大きく違って来るので、まず自分なりに試してみるしか無いと思ったのです。 そこで、取りあえずこれまでの飛びに近いセッティングに固定して、ひたすら耐久テストをしているところなのです。 電流値は初期40A台半ばで、パワー的には、マーチならP-03パターンのフィギュア9が出来るパワー。 ボレロなら楽にホバリングが出来るパワーです。 初期は7セル時のパワーに若干劣りますが、軽量化のおかげでフライト全体では大差無いものとなっています。 途中でセッティングを変えてしまうと、何が良いのか悪いのか分からなくなってしまうので、今はしばらくこのままじっと我慢と言う状態です。

この様な使用状態において、「6セルNi-MH3300」は「7セル2400ニッカド」よりもモーターランが長く、また、今日までの所、GP製で85回、サンヨー製で55回の使用回数でも大きな性能低下は起っていません。



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角倉真広 
kdkr@cb.mbn.or.jp
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