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ドクター角倉の電動機情報(掲示板より抜粋)  1)〜9)

1)ギヤダウンユニットの開発依頼から(2001年5月2日)
ずっと前にちょっとだけお世話になった事を頼りに、断られてもダメ元と思ってギヤダウンユニット製造販売依頼のメールを吉川さんに差し上げてから、色々な事がありました。
その結果、当初考えていたものより格段に進歩した製品がこうして出来上がってきて、本当に感謝しています。

尾島の”電動機の集い”では、参加者の方にだけは実物の披露が出来ましたが、まだ実際に目にされていない方が大半ですし、ギヤユニットの事やその周辺のモーターやプロペラについて、少しずつ書き込んでみるつもりでいます。

設計と開発に際して。(吉川より)今回のギヤダウンユニットの設計製造に関しまして5○プロダクトが、責任を持ちましてお勧めできるユニットが完成したと自負しております。
開発にあたりましては、角倉氏からのコンタクトその上に、部品単位でのアドバイスをいただきました。
私なりに、アドバイスを消化しアレンジして自社の設備及び協力工場の設備能力を踏まえて、部品点数が少なくコスト的にも抑えた設計が出来たと思っております。


2)540モーターの実力(2001年5月2日)
今回のギヤダウンユニットは、使用するスパーギヤの強度などから、540モーター用としてありますが、それでは
「現在の540モーターの実力とはいったいどの程度のものなのか?」と言う疑問も出て来ますので、これについて触れておきます。

まず私のこれまでの経験からすると、7セルの時の初期入力は、12ターンモーターにて、7.2(V)×45(A)=324(W)
10セル時の初期入力は、15ターンモーターにて、10.3(V)×42(A)=441(W)、という様なデータがあります。

この様なセッティングでフライトをした時、コミュテーターの削り直しは、7セル時10〜20フライト毎、10セル時では数フライト毎、となっています。(削り方や使用条件でかなりの違いがあるので平均値と考えて下さい)
10セル時にはやはりコミュの傷み方が早まりますが、それでも初期400W以上のセッティングでも何とか実用になると思っているのです。


3)ギヤダウンユニットの組み立て方法(2001年5月3日)
@まず、フロントプレートに2×20ミリネジをセットします。φ2の穴は7個あり、その内の3個は京商と同じ位置で、残り4個は一辺が20ミリの正方形の頂点にあります。できれば4個穴の方を使う様にして下さい。

フロントプレート内側からネジを通し、サーボモーターで使うハトメをスペーサーとして挟み込み、2ミリナットで締め付けておきます。
2ミリナット上面がプレートから6ミリ程度になるなら、スペーサーはハトメでなくナット等でも構いません。
この辺りの寸法は参考値ですので、それぞれの機体で適当に加減して下さい。
墜落やプロペラの接地ショックを少しでも吸収し和らげる様に、プラスチックネジの使用なども良いかもしれません。

Aスパーギヤを取り付けます。
HPI製とヨコモ製では取り付け穴が若干異なります。
フランジには2種類の穴が開いていますのでピッタリ合う方をお使い下さい。

B組み立て順です。(重要!)
部品点数が少ないのでどうって事無さそうですが、必ず守って欲しいのは、支柱ネジの締め付けを一番最後にしてもらいたいと言う事です。

つまり、プロペラを含め全パーツをしっかりネジ止めしておいて、最後に支柱ネジを締め付けるのですが、その前に軸の回転チェックをして欲しいのです。正常なら、軸を回してもプレートと支柱の隙間はブレないはずです。
それを確認してから支柱をしっかり固定します。最初のうちはベアリング内のグリスの抵抗の為、感覚的にはスルスルと言うより、ヌルヌルと言う感じの回り方ですが、運転を重ねるに従いスルスルの回転になるはずです。

それぞれのネジにはゆるみ止め剤を使っておいた方が良いでしょう。
それができたら、一旦プロペラやプロペラアダプタをはずしてユニット本体を機体に搭載する事になります。

Cユニットを機体に取り付ける時は、マーチ540の様に必ずグロメットを使って下さい。


4)540モーターより小さいモーターの取り付け方(2001年5月3日)
今回のギヤダウンユニットは、モーター取り付け方法が京商ユニットと大きく異なっています。
京商ユニットはモーター止めネジが支柱も兼ねているので、モーター固定の自由度には制限がありました。
ところが50プロダクト製は、2ミリ厚のリヤプレートにモーターが固定出来るなら、どんな取り付け方をしても構わないのです。

例えば、2つあるプレート長穴の片方だけを使ってネジ止めし、もう片方の穴位置が外れた側は、大きめのワッシャーなどを使ってプレートを挟み込む様にネジ止めすれば良いのです。
モーターのネジ穴位置によっては、ワッシャー取り付けに工夫が必要かもしれませんが、アイデア次第で何とかなるのではないでしょうか。

或いは、補助プレートを使って540サイズ取り付け穴に合わせる方法もあります。厚さ2〜3ミリのアルミ板から8ミリ×15ミリ程度の大きさの板を2枚切り出します。このアルミ板の両端に3ミリまたは2.6ミリの穴を開け、皿ネジの面取り加工を、一方は表に、もう一方は裏にしておくのです。
後は皿ネジを使って取り付ける時に間隔調整をすれば用は足りてしまいます。

何れにしても、小型モーターの場合はシャフト長とピニオン長の事もありますので、今の所はそれぞれのモーターによって現物合わせで対応してもらう事になります。


5)プロペラバランスの取り方(2001年5月5日)
何フライトかしてベアリングのグリス抵抗が少なくなって来たら、もう一度、しっかりとプロペラバランスを取ってみましょう。機体の構造によっては無理かもしれませんが、取りあえずはマーチ540の様なモーターがむき出しの機体を想定しての話しをします。

@飛行出来る状態の機体からピニオンだけを外すかモーターをずらすかして、プロペラをフリーの状態にする。
(こういう事がやり易いのも、このユニットの特徴です)

A動力バッテリーを取り付けてモーターを低速回転させ、ユニット全体に微妙な振動を与える。

Bその振動により、わずかなバランスの狂いが現れて来る。(新しいベアリングはグリスの抵抗が大きいので、分かりにくい)
プロペラが水平で止まるのは、その時下になっている所が重いからで、決して良い状態ではありません。
どんな位置でもプロペラが止っていられるのが正解です。

Cバランスの修正をする。
私がAPCペラで良く使う手は、ペラ中央部裏側の溝の中に、潰した鉛を瞬間接着剤で固定すると言う方法です。
出来れば左右ブレードのピッチもそろえるべきなのですが、APCペラの場合はそれ程の狂いは無いと思うので、
取りあえずは静的バランスが取れていればOKでしょう。


6)ギヤ比表 角倉仕様(2001年5月7日)
   〃    資料提供 三重県の員弁ラジコンクラブ(IRC)の渡辺様より(別表)
このギヤダウンユニットで使用可能なスパーギヤとピニオンギヤの組み合わせです。

スパー→94---100---106---108
18-------*---5.56--5.89--6.0
19-------*---5.26--5.58--5.68
20-------*---5.00--5.30--5.40
21-------*---4.76--5.05--5.14
22-------*---4.55--4.82--4.91
23-----4.09--4.35--4.61--4.70
24-----3.92--4.17--4.42--4.50
25-----3.76--4.00--4.24--4.32
26-----3.62--3.80--4.08--4.15
27-----3.48--3.70--3.93--4.0
28-----3.36--3.57--3.79--3.86
29-----3.24--3.45--3.66--3.72
↑ピニオン

ピニオンは、全長10ミリ程度のタミヤ製0.4モジュールか、64ピッチのヨコモ製を使用。
スパーギヤは、穴径3/8インチ(約9.5ミリ)のHPI製かヨコモ製を使用。
0.4モジュールと64ピッチは計算上では、25.4÷64=0.3968・・・と、わずかに異なるのですが、実用上は混用しても大丈夫のようです。ちょっとした加工や工夫をすれば、この表以外のギヤ比も可能になります。


7)本の紹介(2001年5月10日)
RC WORLD特別編集「RC電動ツーリング完全攻略」です。
モーター、ブラシ、コミュテーター、ニッケル水素、マッチド、ザップドなど色々な事が載っています。
是非御覧になって下さい。凄く参考になります。


8)ベアリング交換時の注意(2001年5月23日)
このユニットの構造上、ベアリングとプレートは必ずガッチリと一体になっていなければなりません。
自分でベアリング交換する時には、この点に十分注意して下さい。
接着剤の剥がれが心配される時は、フランジ外側の3箇所ほどに適当な穴を開け、そこにネジかタッピングを通してネジの頭かワッシャーでフランジを押さえつけて下さい。
   
   
9)共振に注意(2001年6月4日)
ごーまるギヤユニットで13インチ以上(ハッキリ特定は出来ませんが)のプロペラを使う時には、共振の問題が生じてくるので注意が必要です。
特に、大きくて重いプロペラの場合、共振が大きくなると、機体を壊してしまう程の力が発生します。

共振とはどんな事かと言いますと。
スロットルをゆっくり上げて行くと、最初は静かに回っていたものが、ある回転数になった時だけプロペラの振動が大きくなり、そこを過ぎるとまた静かに回り続ける、という時の振動の事です。どんな回転数の時でも振動が出ているのは、ただ単にバランスが悪いだけなので区別できます。

振動が大きくなる原因はそれぞれの場合で少しずつ異なるかもしれませんが、今の所私が考えているのは。
◎重いペラだと、ペラ+ユニットの重心位置が支点に近付くため、基本的に揺れ易くなっている。
◎ペラの形状やスピコン周波数や機体の固有振動と共振する。(この辺の特定が出来れば良いのですが)
◎重いペラは振幅が大きくなりやすい。と言った図式です。

対策は、モーター本体と機体とを何等かの形で固定できれば良いと思われますので、工夫してみて下さい。


 

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