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50プロダクトベルトユニット搭載機』 ラジコン技術 2011年4月号に掲載
ProLine Fantasista
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 フルサイズのF3Aスタント機で、バッテリー込みの全備重量が4600g台という時代がとうとうやってきた。 電動スタント機が出始めたころは5000gの壁を切ることは相当困難だったが、今は余裕さえある。 もちろん、リポバッテリーの急速な進化があることに間違いはないが、今回のこの機体に関しては設計者の思想がそうさせたといっても過言ではないだろう。
 機体全体を電動用にシンプルな構造にしたことはもちろんだが、フライングテールという発想が重量軽減に相当貢献している。 水平尾翼のヒンジライン周辺のバルサ材やホーンを立てるためのベニヤ材をすべて排除すると、水平尾翼一式の生地完成状態は100gを切るという。 尾翼周辺が軽量になったことから、エレベーターとラダーサーボをテールに搭載して直結し、さらにFutabaの”S.Busシステム”を搭載することで延長コードの余分な重量をも軽減している。
 駆動に50プロダクト製のベルトユニットを採用し、究極のスロースタントを実現するために主翼の最大翼厚を15%に増やし、穏やかさと揚力を稼ぐと同時に、エルロン幅を長くしてスロースタント時のスナップロールにも対応するよう配慮している。 また、カナード翼の効果も絶大で、ローリングループなどの横もの演技も、スロースピードにも関わらずラダーの効きに充分な手ごたえがあるという。
 斬新とも思えるこの機体コンセプトは、F3Aフライヤーの度肝を抜くような、そんな気がしてならないのである。
秋葉洋一郎氏
最新鋭電動機「プロライン・ファンタジスタ」を
  手にする秋葉洋一郎氏。


胴体の部分をカーボンのBOX形状にし、軽量化と
強度を確保した。塗装完成機には脚なども付属する。
胴体

モータとベルトユニット ハッカーC50-13XLと50プロダクト製のベルトユニットが搭載された機首部分。
プロペラは、フライトホビー製20.5x12.8(カーボン)。
スピコンはFutaba製(近日発売予定)。
メカ室 広いメカ室の中は、受信機と受信機用のバッテリーのみ(写真左側が機首)。

テクニカル・データ

全  幅・・・・・・・・・・・ 1850mm
全  長・・・・・・・・・・・ 1996mm
全備重量・・・・4650g(バッテリー含む)
主翼面積・・・・・・・・・・・60.8du
主翼翼厚・・・・・・・15%(根)→14%(端)
カナード翼面積・・・・・・・・・8.6du
水平尾翼面積・・・・・・・・・ 16.8du
モーター・・・・・・・ Hacker C50-13XL
ベルトユニット・ 50プロダクト(6.73:1)
RC装置・・・・・・・・・・ Futaba 14MZ
バッテリー・・・・・Li-Po 5 S4000mAhx2
設  計・・・・・・・・・・秋葉洋一郎
価  格・・・・・・ 115,000円(キット)
         255,000円(半生地完成)
         600,000円(塗装済完成)
発 売 元・・・ウイングクラフトイナガキ
           電話 076-438-5390
フライングテールにして超軽量を実現した水平尾翼。
エレベータサーボ1個で、左右の水平尾翼を動かす。

水平尾翼

文と絵 / Toru SUEHIRO

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